眼科疾患

このページでは、主な疾患について治療のあらましを説明します。 目で気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。

結膜炎

細菌性結膜炎

結膜(白目)が充血し、膿性の眼脂を伴います。抗生剤点眼で対応します。

ウイルス性結膜炎

強い充血、流涙があり、眼脂も多量に伴います。耳前リンパ節が腫れ、圧痛がます。 感染力が強いので出勤・登校が制限される場合があり生ます。

アレルギー性結膜炎

搔痒感を伴うことが多く、季節性があります。抗アレルギー剤で対応します。

ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)

麦粒腫

瞼の痛みを訴え、発赤、腫れを伴います。 原因は瞼の分泌腺の化膿性炎症で化膿が進むと自壊排膿を起こすことも少なくありません。 通常、排膿とともに痛み、腫れとも治まり、治癒に向かいます。

霰粒腫

マイボーム腺の梗塞に起因する肉芽腫性炎症で、瞼に腫れはあるものの、発赤や痛みは伴いません。 ただし、感染により周囲に炎症が起こった場合は急性霰粒腫といって麦粒腫と同じような症状が出ます。 急性炎症がある場合は抗生物質の点眼を行いながら自然吸収を待ちますが、改善が見られない場合は手術にて摘出します。

白内障

眼の中の水晶体が濁る病気です。 症状の程度によりますが、物が霞んでぼやけたり、まぶしく見えたり、片眼で見ても物が2つに見えたりします。
原因
主な原因は加齢によるもので、60歳代で約60%、70歳代で約80%、80歳代でほぼ100%の人が白内障を発症しています。
治療
初期の白内障であれば目薬で進行を遅らせることも期待できますが、大抵の場合は手術を行って治療します。
手術については、下記のページをご覧ください。

涙道疾患

涙腺から産生された涙液は目を潤した後、目頭にある小さい孔(涙点)から涙小管を通って涙嚢に入り、さらに鼻涙管を通って鼻へ抜けていきます。この鼻へ抜ける通路のどこかが細くなったり、詰まったりすると涙が目にあふれてこぼれるようになります。

涙道イメージ

鼻涙管閉塞・慢性涙嚢炎

鼻涙管が閉塞すると涙は鼻へ抜けることができなくて涙嚢に溜まります。目頭の涙嚢の所を指で押さえるとネバネバした液が目のほうへ逆流します。この溜まった粘液に細菌が感染すると、膿が逆流するようになります。この状態を慢性涙嚢炎といいます。

急性涙嚢炎

涙は目頭にある涙点から涙の通り道(涙道)を通って鼻へ流れます。
何らかの原因で涙道が詰まると、涙をためる袋である「涙囊(るいのう)」に細菌が繁殖し、急性涙囊炎を起こすことがあります。
主な症状としては、目頭(鼻根部)の赤みや腫れ、強い痛み、涙、目やに(膿)が出ます。

治療方法

点眼治療
まずは抗菌薬(飲み薬や点滴)で炎症を抑えます。膿がたまっている場合は切開して排膿することがあります。
手術治療
炎症が落ち着いた後、再発予防のために涙道の詰まりを改善する手術(涙管チューブ挿入術など)を行うことがあります。

先天性鼻涙管閉塞

鼻涙管の鼻への出口に生まれつき薄い膜が張っている状態で、生後2~3週間すると眼脂や涙を出すようになる病気です。 以前は針金(ブジー)で開放する処置も行われていましたが、生後1年で90%の症例で自然開放されるため、ブジーはあまり行われなくなりました。 自然開放するまでは眼脂が酷いときのみ抗菌剤を点眼すればよく、毎日点眼する必要はありません。

ドライアイ

涙の量や質が変化して角膜や結膜に傷がついてしまう病気です。目がゴロゴロする、痛い、霞む、充血する、涙が出る、目が疲れるといった症状が出ます。 ドライアイには大きく2つのタイプに分かれます。

涙液減少型

目は刺激を受けると反射的に涙を流して涙の膜を安定させようとしますが、このシステムに異常があって、目に刺激を受けても涙液が分泌されにくいタイプのドライアイです。

蒸発促進型

涙は3層構造(ムチン層、水層、油層)になっていて目を保護しています。いちばん外側にあるのが油層で涙が蒸発するのを防いでいます。 蒸発促進型ドライアイでは油層を作っているマイボームという組織に異常があって油層が十分に分泌すされず涙が蒸発しやすくなります。

緑内障

目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気のことです。 ゆっくりと進行するので症状がかなり進行するまで自覚症状はほとんどありません。
原因
原因の多くは目の硬さに当たる眼圧がその人の耐えられる眼圧より上昇することによって引き起こされます。 ただし、正常な眼圧(10~21mmHg)にも関わらず緑内障になる人がいます(正常眼圧緑内障)。この症状は欧米人に比べて日本人に多いことが分かっています。
治療
一度障害を受けた視神経は元には戻らないため、緑内障を完治させることはできません。したがって、緑内障の治療は視神経が障害され続けて視野が狭くならないように眼圧検査、視野検査、眼底検査を定期的に行い、眼圧が上がらないように点眼治療をコントロールすることが重要となります。 点眼治療でも視野の欠損が進行する場合は外科的治療(手術)を行います。

糖尿病網膜症

糖尿病が原因で目の底の網膜という組織が障害され、視力が低下する病気です。 定期的な検診と早期の治療を行えば病気の進行を抑えることができますが、実際には日本の中途失明原因の代表的な病気です。 糖尿病網膜症の症状は進行とともに変化します。
治療
糖尿病網膜症の治療としては、まず糖尿病自体の治療を第一とします。 内科との連携を行い、血糖値をコントロールしていきます。 眼科では定期的に眼底検査を行って網膜に異常がないか経過観察していきます。 網膜浮腫などが認められた場合はレーザー治療や硝子体注射を行います。 それでも病気の進行が阻止できない場合は硝子体手術を行うようになります。

単純糖尿病網膜症

初期の段階で、まだ自覚症状は見られません。しかし、目の血管の状態を観察すると、眼底に小さな出血があるなど、少しずつ異常が現れています。

増殖前糖尿病網膜症

中期の状態で、視界が霞むなどの自覚症状が現れてきます。網膜の出血も大きくなり、血流不足から細胞が白く変化する軟性白斑や血管から染み出た血液が網膜に溜まる網膜浮腫という状態がみられます。

増殖糖尿病網膜症

別名を悪性網膜症といって、放置しておくと多くは2~6年で失明します。血流不足による虚血状態から網膜に新生血管という血管が伸びてきます。この血管はとても破れやすいので網膜出血や硝子体出血をおこします。 さらに網膜上に薄い膜状の増殖膜が形成され、この膜が網膜を引っ張り牽引性網膜剥離の原因となります。

アレルギー性結膜炎

目の表面に花粉などのアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)が付着して炎症を起こす病気です。
種類
花粉などが原因の、特定の季節だけ症状が出る季節性アレルギー性結膜炎、年中を通して症状がみられる通年性アレルギー性結膜炎、重症のもので子供に多く見られる春季カタル、ソフトコンタクトレンズを使っている人にみられる巨大乳頭結膜炎などがあります。
治療
治療の基本は抗アレルギー剤による薬物療法になります。重症の場合はステロイド点眼薬や免疫抑制剤を使用することもあります。

飛蚊症

目の前に黒い糸状のものや虫のような「浮遊物」が飛んでいるように見える症状です。形や大きさはさまざまで、視線を動かしても追いかけてくるような動きをする場合もあります。
種類
加齢による生理的な原因による飛蚊症と網膜剥離などの病気が原因の飛蚊症があります。
治療
生理的な原因の飛蚊症であれば特に治療の必要はありませんが、網膜剝離などの病気が原因の場合は早期に治療が必要になります。 なお、眼科受診の際は散瞳剤を点眼して眼底検査を行いますので、来院の際はお車を運転しないで来院をお願いいたします。

各種レーザー治療

網膜レーザー光凝固治療

マルチカラーレーザー光凝固装置を有しており、いろいろな波長を使用することで各種疾患に対応します。 レーザー光凝固治療は、糖尿病網膜症、網膜剥離裂孔、眼底出血、黄斑変性症、網膜動脈瘤、網膜静脈閉塞症、中心性網脈絡膜症などの疾患に対しての治療として行われています。

YAGレーザー光凝固

白内障術後の後に視力低下を引き起こす、後発白内障の治療や緑内障発作の治療として使用されます。

硝子体注射(抗VEGF治療)

対象疾患
加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症に伴う黄斑変性
動脈硬化や高血糖が進んでいくと、網膜にある毛細血管の血流が阻害され、酸素や新生血管という脆くて破れやすい血管が出来てきます。新生血管は血液やその成分を漏らしてしまうことが多く、網膜の中心にある黄斑の浮腫や眼底出血などを引き起こします。 黄斑に障害が起こると、物を見る時に形や色を識別しづらかったり、文字が読みにくくなってきます。 抗VGEF抗体を目の中に注射する(硝子体注射)ことにより、新生血管を退縮させて黄斑に起こっている症状を改善していきます。 注射後も、改善の状態を観察するために通院していただきます。改善が見られない場合や一旦は改善したものの、症状が再発した場合は複数回の注射を追加する場合があります。
正常な場合と網膜静脈が閉塞した場合のイメージ
目詰まりしたホース(静脈)に水(血液)を流すと、やがてホースの内圧が高まり穴が空いて水が飛び出し、周り(網膜)を水浸しにしてしまうのと同じことが、眼底で起こっています。
黄斑浮腫に硝子体注射を行うと血液成分の漏れが少なくなり、浮腫が抑えられます。

ボトックス注射(眼瞼けいれんに対する治療)

当院では眼瞼けいれんの患者様に対してボトックス(ボツリヌス毒素)による治療を行っています。
眼瞼けいれんとは

両眼の周りの筋肉が自分の意思に関係なく勝手に力が入り、上手くまばたきができなくなったり、目が開けにくくなる病気です。 初期には、まぶしい、目が乾く、目がショボショボするなどドライアイと似通った症状が見られ、ドライアイとして治療されている場合もあります。 進行すると自分の意思で目を開けられなくなり、目が見えない状態になります。

※疲れやストレス、睡眠不足などがきっかけで、左右片側の上または下のまぶたの筋肉の表面がピクピクとけいれんする症状は「眼瞼ミオキミア」という別の病気であり、眼瞼けいれんではありません。 眼瞼ミオキミアは、疲れやストレスの原因が無くなると数日~数週間で自然に治ります。
眼瞼けいれんの治療
治療にはボトックス(ボツリヌス毒素)の注射を行います。 ボトックスは神経の伝達を阻害する薬剤で、筋肉の緊張を和らげる作用があります。まぶたの周りの緊張している筋肉にボトックスを直接注射することにより、けいれんの原因になっている神経の働きを抑え、過度に緊張している筋肉を緩めるものです。
ボトックスの効果と副作用
ボトックスの効果は注射後2~3日から現れ、約4か月ほど効果が続きます。効果が切れると徐々にけいれんの症状が出てくるので、症状が出たら繰り返し注射を行っていく必要があります。 また、注射後に「目が閉じにくくなる」「まぶたが下がる」などの副作用が起こることがありますが、いずれも一時的なものなので心配いりません。

ボトックス療法の施行について

ボトックス療法は、所定の研修、使用の認定を受けた医師しか施行できません。 当院院長は、ボトックス使用の認定を受けています。

目の周りのけいれんでお悩みの方は、一度ご相談ください。

眼鏡処方・コンタクトレンズ

通常の眼鏡(遠用、近用、遠近両用)、および特殊な眼鏡(弱視等治療用眼鏡、遮光眼鏡)の処方が可能です。 コンタクトレンズ(ソフト・ハード)の処方も行っています。 ただし、コンタクトレンズ処方箋の発行は行っておりません。 コンタクトレンズについては専用ページをご参照ください。