ドライアイ
目の不快感や、かすんで見えるなど、気になる目の症状はありませんか? もしかしたら、ドライアイかもしれません。
ドライアイとは?
ドライアイとは、さまざまな要因により、涙の分泌量の減少や涙の質の低下を引き起こす疾患で、目の不快感や視機能に異常が生じたり、目の表面に傷を伴うことがあります。
当院院長は「涙の専門医」として涙道治療だけでなく、ドライアイの診療も積極的に行っています。目の乾燥や不快感の症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
主な症状
次のうち4~5つ以上当てはまる人は、ドライアイの可能性があります。
- ● 目が乾く
- ● 目やにが出る
- ● 目が痛い
- ● 目が疲れやすい
- ● 目がショボショボする
- ● 目がゴロゴロする
- ● 目が重たい感じがする
- ● 目に不快感がある
- ● 目がかゆい
- ● 理由もなく涙が出る
- ● 物がかすんで見える
- ● 光をみるとまぶしい
- ● 目が赤くなりやすい
ドライアイの分類と主な原因
ドライアイはその原因によって、「涙液分泌減少型」「涙液蒸発亢進型」の2つに大きく分類されます。
1 涙液分泌減少型
涙液の分泌量が減少しておこるドライアイです。通常は反射性に分泌される涙液が分泌されなくなり、常に目の乾燥や不快感、眼表面に傷が付くなどの症状に悩まされます。
原因
涙液は目の表面から涙腺への神経経路と涙腺の働きによって分泌されるため、その神経経路や涙腺の働きが悪くなると涙の分泌量が減ります。 その他、加齢や糖尿病、シューグレーン症候群など他の病気、降圧薬、抗うつ薬などの薬剤の副作用によっても引き起こされます。 また、レーシックの副作用でも涙液の分泌量が減りドライアイになりやすくなることが知られています。
2 涙液蒸発亢進型
涙が蒸発しやすくなっておこるドライアイです。涙の成分はほとんど水分ですが、その水分が蒸発しないように薄い油の膜の層が覆っています。この油層が少なくなると涙の蒸発が早まります。
原因
涙の層の最表面は、まぶたのふちにあるマイボーム腺という脂腺から分泌される油層で覆われ、涙が空気中に蒸発しにくい状態になっています。このマイボー腺の働きが低下すると、涙液の油分が少なくなり、涙の蒸発が進んでドライアイ症状を引き起こします。これをマイボーム腺機能不全(MGD)といいます。
マイボーム腺機能不全(MGD)の原因
細菌感染・・・マイボーム腺の出口が細菌感染などによって詰まるなど
パソコンやスマートフォン作業・・・目を凝視させて、まばたきを減らすことで涙の蒸発を早める
長期間のコンタクトレンズの装用・・・目の表面が傷んで涙の安定性が損なわれる
ドライアイの治療
ドライアイの治療法には、「点眼療法」「温熱療法」「まぶたの洗浄」「涙点閉鎖(涙点プラグ)」などがありますが、患者さんのドライアイのタイプや症状、程度に応じて適した治療を行うことが大切です。
点眼療法
足りない涙の成分を外から補います。点眼薬はいくつか種類があり、患者さんの状態に合わせて選択します。 最近では、正常に機能していない涙の層をターゲットとした点眼薬が登場して、より効果的に治療ができるようになっています。
温熱療法
従来から目を温めることでドライアイの症状が改善すると言われてきましたが、現在ではそれが科学的に証明されています。 特に、まぶたを温めることにより、まぶたの中にあるマイボーム腺の中の油が溶け出してドライアイに効くことが分かっています。涙液蒸発亢進タイプのドライアイに有効です。
まぶたの洗浄やマッサージ
マイボーム腺開口部に汚れや老廃物などによる詰まりが生じると、油分の分泌を妨げる要因となります。まぶたの洗浄やマッサージを行うことで、固まった油や詰まりを除去して油分の分泌を促したり、まぶたの炎症を抑えたりします。
涙点プラグ
「涙点」とは目頭にある涙の排出口で、涙点に栓(涙点プラグ)をして涙の排水口をふさぎ、目の表面に涙がたまるようにする治療方法です。点眼治療だけでは症状が改善しない場合に検討されます。